生粹きつすゐ)” の例文
新字:生粋
デカダンの生粹きつすゐを以つて標榜へうばうしてゐた自分だが、今では、その元氣ある道程を終つて、ただその最後の遺物をばかり握つてゐるらしくも自分自身で見える。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
... ただの江戸えどであるよりも生粹きつすゐとつけたはうよろこぶらしい)それから、その——(をつとといつていゝか、つばめ?——すこし、禿はげすぎてゐるが)あいする於莵吉おときちは十一も齡下としした
わたしが、獨身どくしんであつたなら!)なかでも、時雨しぐれさんは、美人びじんである(多分たぶん女性ぢよせい美人びじんであるといはれることをよろこぶにちがひない、とわたししんじてゐるのだが——)それからまた、生粹きつすゐ江戸えど