ほたり)” の例文
大気都姫はとうとう食事の度に、彼と同じさらほたりを、犬の前にも並べるようになった。彼はにがい顔をして、一度は犬をい払おうとした。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
今はの火も、ほたりの酒も、乃至ないし寝床の桃の花も、ことごとくいまわしい腐敗のにおいに充満しているとしか思われなかった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それからさらだのほたりだのが粉微塵こなみじんに砕ける音、——今まで笑い声に満ちていた洞穴ほらあなの中も、一しきりはまるで嵐のような、混乱の底に投げこまれてしまった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)