きう)” の例文
白道の上を復、立籠める魂の塵屑は蟻集して衝天の勢を示し、清淨無垢の「きう」に照る清く澄みわたつた金色こんじきを威嚇してゐる。
さしあげた腕 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
火星の表面へうめんは地きう引力いんりよくの五ぶんノ二しかない だから人は地球にゐるときより二ばい半は高くべるが しかし、それ以上いじやう高くは飛べるはずがないのぢや
そのかど々は消えてゆく、圓になる、だんだん膨れてきた、こんだはきうだ。この光景けしきの神々しさは、先のに、をさをさ劣らない。腕は更に筋張つてさし上げられる。
さしあげた腕 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
さうですよ 地きうではパンとかこめとかが常食じやうしよくでせう、火星の人げんは トマトだけよりたべないんです
薄暗い「きう」は軸の上に囘轉する、漸々だん/″\膨れて來るやうだ。金色こんじきかどが肌の上に現はれる。無數の蟻はぽうつと明るくなつてきた宇宙の上に降りはじめる。きうはぱつと破裂する。
さしあげた腕 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
火星では 高い大きなビルデングのやうな望遠鏡ばうゑんきやうで 地きうの出来ごとをみてゐるのです