獨身ひとりみ)” の例文
新字:独身
それに橋渡しをする人があつて、矢並樣もまだお獨身ひとりみのことでもあり、年上の私を承知で、晴れて一緒になるやうにと、勤められて居る折でもございます
美尾みをぐるめわたしあづかり、おまへさんは獨身ひとりみりて、官員くわんゐんさまのみにはかぎらず、草鞋わらじいてなりとも一かどはたらきをして、人並ひとなみごされるやうこゝろかけたがからうではいか
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ふと途すがら 昔の家の離家はなれにゐた 獨身ひとりみのかの老女を憶ふ
山果集 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
かくてはや、獨身ひとりみ獨身ひとりみ今日けふも過ぎゆく。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
ね、親分、三十になるまで、獨身ひとりみが面白くてたまらない兄貴だつたんですもの。家の者なんかさがすより、外へ出て、町内の娘や後家をあさつて御覽なさい。