狂態きょうたい)” の例文
ホラシオはがぬけた。オフィリャの狂態きょうたいになっての出はすごく好かった。墓場はかば墓掘はかほりの歌う声が実に好く、仕ぐさも軽妙であった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
しかしみつればくるの比喩ひゆれず、先頃から君江の相貌そうぼうがすこし変ってきた。金青年に喰ってかかるような狂態きょうたいさえ、人目についてきた。
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「あれよ、また、狂態きょうたいな跡とり殿が、何の不作法」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
君はまた余に惺々しょうじょう暁斎ぎょうさい画譜がふ二巻を呉れた。惺々暁斎は平素ねこの様につゝましい風をしながら、一旦酒をあおると欝憤うっぷんばらしに狂態きょうたい百出当る可からざるものがあった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)