状態さま)” の例文
兄弟よ、諸〻の天使と、汝が居る處の純なる國とは、現在いまのごとき完き状態さまにて造られきといふをうれども 一三〇—一三二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
心労の結果ヒドイ腎臓病と神経衰弱に陥って寝てばかりいる状態さまは、他所よその見る目も気の毒な位であったが、しかし次男坊の一知は、そんな事を夢にも気付かないらしく
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
勇ましいともわからずに、心がゾク/\をどり立つて、思ふさま有りたけの涙を流したんですよ、インスピレーションと云ふのは、彼様あゝした状態さまを言ふのぢやないか知らと思ひますの
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
やがて最早もう息を引取ったろうか、そんなことを思いながら、病院の方へ急いで見ると、まだお房は静かに眠る状態さまである。小鳥もねぐらに帰る頃で、幾羽となく椎の樹の方へ飛んで来た。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
もし神の怒りに觸れなば何ぞ罰をあけの都の中にうけざる、またもし觸れずば何故にかゝる状態さまにありや 七三—七五
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
かくて我曰ひけるは、汝等の状態さまはわがうらに侮りにあらで大いなる俄に消え盡し難き憂ひを宿せり 五二—五四
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
世の状態さま人の善惡を味はひしらんとのわがつよきねがひにかちがたく 九七—九九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)