物干場ものほしば)” の例文
明智が行李を蹴散けちらして追いすがった。四畳半の窓を開けると物干場ものほしばがある。階下に見張りがあるため逃げ場は屋根のほかにないのだ。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
むしさら上層じようそうのぼるか、あるひ屋上おくじよう物干場ものほしば避難ひなんすることをすゝめるのであるが、實際じつさいかういふ賢明けんめい處置しよちられたれいしば/\みゝにするところである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
二人の借りている二階の硝子窓ガラスまどの外はこのうち物干場ものほしばになっている。その日もやがて正午ひるちかくであろう。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「お勝手から物干場ものほしばへ行くには、此處を通ることになりますよ」