熱病ねつびやう)” の例文
けれど、二三にちもたつともうそろそろむづむづしてくるのだから、この熱病ねつびやう生易なまやさしいことではなかなか全快ぜんくわいしさうにもない。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
すみからすみへといそいであゆはじめる、丁度ちやうどはげしい熱病ねつびやうにでもにはかおそはれたやう。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それともわかね……熱病ねつびやうの闇のをののき……
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
世話しければ嘉傳次は此感應院の食客とぞ成り感應院或時嘉傳次にむかひ申けるは和歌山の城下に片町かたまちといふあり其處に夫婦に娘一人あり親子三人暮さんにんぐらしの醫師なりしが近頃兩親共に熱病ねつびやうにて死去し娘ばかりぞのこれり貴公きこう其所へ養子に行て手習てならひ指南しなんでもせばよろしからんといふ嘉傳次是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
熱病ねつびやうひびきする煉瓦家れんぐわやか、狂へるまちか。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)