照降町てりふりちょう)” の例文
お半といえば若そうにきこえるが、これは長右衛門に近い四十四五歳の大年増おおどしまで、照降町てりふりちょうの駿河屋という下駄屋の女隠居である。
皆様のうちでも御年配の方は、明治の中頃まで、日本橋の照降町てりふりちょうに、桜井屋という、枕を専門に商う不思議な店のあったことをご存じかと思います。
もう一昨年頃故人なきひとの数に入ったが、照降町てりふりちょう背負商しょいあきないから、やがて宗右衛門町の角地面に問屋となるまで、その大島屋の身代八分は、その人の働きだったと言う。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その侍は、今朝から、室町の餅撒もちまきにも、照降町てりふりちょうの新道にも、ちらちら姿を見せ、たえず雲霧の後をけていた。——聡明な眼と、機敏な動作は、すぐ、次の駕にひそんで、先のを追った。
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武「これはなんで、芝口しばぐち三丁目の紀国屋きのくにやと申すが何時も出入であつらえるのだが、其所そこへ誂えずに、本町ほんちょうの、なにアノ照降町てりふりちょう宮川みやがわで買おうと思ったら、彼店あすこは高いから止めて、浅草茅町あさくさかやちょう松屋まつやへ誂えて」