煙幕えんまく)” の例文
他の一隊は、今や帝都の上にさがろうとする毒瓦斯の煙幕えんまくよりは、更に風上に、薄紅うすあかにじのような瓦斯を物凄ものすごくまきちらして行った。
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
だが第二の失望しつぼうがきた。夜は明けたが濃霧のうむ煙幕えんまくのごとくとざして、一寸先も見えない、むろん陸地の影など、見分くべくもない。しかもいぜんとして風はやまぬ。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
ゴマすための煙幕えんまくなのだ。あなたは足に、一メートル位の棒をつけて、大男に見せかけているが、じっさいは、小男なのだ!
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「……恐ロシイ爆音ヲアゲテ、休ミナク相手ノ上ニ落チタ。まとはずレテ落チタ砲弾ガ空中高ク水柱すいちゅう奔騰ほんとうサセル。煙幕えんまくハヒッキリナシニ……」
人造人間事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「む——」帆村は白っぱくれて、ホープの煙幕えんまくの蔭に隠れていた。
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
米連艦隊に遭遇——煙幕えんまくの中のクロクロ島
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)