無表情むひょうじょう)” の例文
小幡民部こばたみんぶはあいかわらずいたって無表情むひょうじょうにながめているし、伊那丸いなまる冷静れいせいなること、すこしもかわっていなかったが、うるさいのは竹童ちくどう
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
当番とうばん生徒せいと祈祷書きとうしょを見ながら、歌わないで読むことになっている祈祷きとう朗誦ろうしょうした——その朗誦がやはり大声の無表情むひょうじょうで、一口にいえば、何もかもいつものとおりだった。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
けれどなかには、ぽかんとして、無表情むひょうじょうかおつきで見送みおくるような、子供こども背負せおったおんなもいました。
村へ帰った傷兵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
みんな大きな声で、さっさと無表情むひょうじょうに歌った。まるで太鼓たいこでもたたくような工合ぐあいだ。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)