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むひょうじょう
小幡民部はあいかわらずいたって
無表情にながめているし、
伊那丸も
冷静なること、すこしも
変っていなかったが、うるさいのは
竹童。
当番の
生徒は
祈祷書を見ながら、歌わないで読むことになっている
祈祷を
朗誦した——その朗誦がやはり大声の
無表情で、一口にいえば、何もかもいつもの
通りだった。
けれど
中には、ぽかんとして、
無表情な
顔つきで
見送るような、
子供を
背負った
女もいました。
みんな大きな声で、さっさと
無表情に歌った。まるで
太鼓でもたたくような
工合だ。