無粋ぶすい)” の例文
旧字:無粹
無粋ぶすいわたくしどもにはちっとも分りませんが、ある大通だいつうのお客様から伺ったところでは浮気稼業をいたしてる者はかえって浮気でないと仰しゃいます。
良妻賢母教育の前に先ず「令嬢教育」というものを何故なぜ施されないのか。女に早く年を寄らせようという主義の教育は無粋ぶすいというよりむしろ惨酷でしょう。
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
が、諸藩の勤番の田舎侍いなかざむらいやお江戸見物の杢十田五作もくじゅうたごさくの買妓にはこの江戸情調が欠けていたので、芝居や人情本ではこういう田五作や田舎侍は無粋ぶすい執深しつぶかの嫌われ者となっている。
り候事とて「口舌八景くぜつはっけい」の口舌ならねど色里いろざとの諸わけ知らぬ無粋ぶすいなこなさんとは言はれぬつもりに候へども相手が誰あろう活動の弁士と知れ候ては我慢なりがたく御払箱おはらいばこ致申いたしもうし候。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「何でこないな無粋ぶすいな真似をおしやすのやろ。好かんたらしいお小姓やわ。」
そして自分の愚を笑うのか、人の無粋ぶすいわらうのか、大口をあいて
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
古い無粋ぶすいなものだ。
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)