漫画まんが)” の例文
豹の眼と豹のきばと豹の舌と、それから豹の心を持った獣人なのだ。途方もない漫画まんがである。世にも恐ろしい残虐ざんぎゃくな漫画である。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
一隅はじには、座蒲団ざぶとんを何枚も折りかさねた側に香立てをえた座禅ざぜん場があります。壁間かべには、鳥羽とば僧正そうじょう漫画まんがを仕立てた長い和装わそうの額が五枚ほどかけ連ねてあります。
いかにも、それは鸚鵡おうむのようなぎごちなさだった。いいおわるとすぐ帽子をかぶった。大人おとなものらしい鳥打帽は漫画まんがのこどものようではあったが、似合っていた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
このゆえどうと名のつくものは必ず卑しい。運慶うんけい仁王におうも、北斎ほくさい漫画まんがも全くこの動の一字で失敗している。動か静か。これがわれら画工がこうの運命を支配する大問題である。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)