湯煎ゆせん)” の例文
裏漉うらごしにして徳利のような物へ入れて一時間ばかり湯煎ゆせんにしてそれからびんへ詰めて口の栓をしっかりしておけば何時いつまでも持ちます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
塩を加えた昆布の佃煮つくだには、塩でじゃきじゃきする。それまで煮つめるのが美味おいしい煮方である。しかし、直火じかびではなく、湯煎ゆせんで煮つめるのである。
塩昆布の茶漬け (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
コルンスタッチ即ち玉蜀黍とうもろこしの粉を小匙二杯水で溶いてそれへ加えて鍋をお湯の中へ入れてドロドロになるまで湯煎ゆせんにします。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
つゆの方はびんへいれてまた四十分間湯煎ゆせんにして固く栓をしておくと苺のシロップになります。これも湯冷ゆさましの水へ混ぜて飲ませると病人に結構です。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
六本のはしで掻き混ぜていると湯煎ゆせん空炒からいりになるから段々水気を蒸発して細い白い糸のようなものがカラカラに干上ひあがる。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
砂糖二杯とゼラチン三枚とを湯煎ゆせんにして掻き混ぜてそれへクリーム二合を泡立てて混ぜて型へ入れて冷し固める時西洋の桜の実を周囲まわりへ入れたのです。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
第二十九 鰹節かつぶしエキス これ我邦わがくにの特有物で鰹節かつぶしから製します。まず上等の鰹節をおよそ一合ほど削って一合の水を加えて壺へ入れて二時間湯煎ゆせんにします。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
く無造作な事です。硝子壜がらすびんへ入れてお酒の燗をするようにしてよく湯煎ゆせんにして見ればぐ分かります。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
... 施しましょう。オヤオヤ今の蛋白質が段々底の方へ沈澱ちんでんしますね、こうした醤油は食べるのに差支さしつかえありませんか」お登和「別に差支ありません。一度湯煎ゆせんにしたのは長く置いてもカビが生えません」大原「そうですか。こう手軽に検査が出来れば狡猾こうかつな商人に偽物にせものを ...
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)