たず)” の例文
骨董レコードの本当の値打は、電気吹込みの新しいレコードを聴き尽して、ふるきをたずねる意味においてこそ重要なのである。
されば好い加減に引込めと大向うから呶鳴られぬ前、長えは毒と一旦筆を擱きはしたが、這度このたびは古きをたずねて新しきを知る、チッとばかり昔のことを言わして頂くことにした。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
ふるきをたずねて新しきを知る。この意味に於ても書画骨董の趣味は大切だいじなものだよ」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
香以は旧交をたずねて玄魚、魯文の二人を数寄屋町すきやちょうの島村半七方に招いた。取持には有中、米八が来た。宴を撤してから舟を鞘町河岸さやちょうがしし、松井町の稲本に往った。小稲花鳥はもういなかった。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)