らく)” の例文
そのほか、昨夜以来の配置によって、醍醐だいご山科やましな逢坂おうさか、吉田、白河、二条、七条、らくの内外いたるところも、秀吉指揮下の隊が部署についていない方面はない。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三分廬を出づ、諸葛んぬるかな、一身らくに入る、賈彪かひょういずくに在りや。心は貫高を師とし、而してもとより名を立つる無く、志は魯連を仰ぎ、遂に難をくの才に乏し。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
その規定によると、滞在中はらくの中外を随意に徘徊はいかいすることは許される、諸商い物を買い求めたり小屋物等を見物したりすることも許される、しかし茶屋酒楼等へひそかに越すことは許されない。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「おおそうよの。らくの北山も東山も、あの大戦では」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)