法達ほうたつ)” の例文
二陣に和田五郎正隆まさたか同苗どうみょう助康、八木ノ入道法達ほうたつ、神宮寺正師まさもろなどの——いくさの駈引きにも騎馬戦にも屈指くっしな者をすえていた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
足をわぬ様に何うか五足こしらえて呉れえとか、すげの笠を買うて来て、法達ほうたつに頼んで同行二人どうぎょうににんと書いて呉れえとか、それから白の脚半きゃはんも拵え笈摺おいずるも拵えたから
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かねて情報集めに放っておいた、八木弥太郎法達ほうたつの部下が、摂津の昆陽野こやの伊丹いたみ)から馬をとばして来て
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、裏手のがけに伏して見張っていた“落ちのび組”の和泉ノ助康、安間了現、八木ノ入道法達ほうたつらは
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その間に、秦野屋はどうしたろうかと振顧ふりかえってみると、かれは、お蝶のかごの側で、鼻寺の法達ほうたつに頼んで雇って来た四人のかごかきと、何かしきりにいい争っている様子に見える。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おい法達ほうたつ、いぶすのはもういい加減にしてくれないか。目に沁みてしようがねえ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不恰好ぶかっこうの下駄をはいて、法達ほうたつの姿がそこの縁先から消えると、日本左衛門はただひとりで、せきとした方丈のなかに坐ったまま、何か考えこむように、左のへかろいこぶしをくり返している。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)