法衣はふえ)” の例文
どのお寺も黄色の旗と常緑樹ときはぎの門とで、外部を飾り、その内部の壮厳さうごんは有らゆる美をつくして、いろんな法衣はふえの坊さんと参拝者と香煙と灯明とうみやうとで満ちて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
その傍に中年老年の僧侶が法衣はふえの上から種々さまざまの美しい袈裟を掛けて三十五六人立つて居る。
御門主 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
セルギウスは法衣はふええりを正し、僧帽をかぶつて、そろ/\群集の間を分けて歩き出した。
法衣はふえを着て、僧帽をかぶつた威厳のある立派な姿である。セルギウスは頭をつた。
朝の勤行ごんぎやうが白い法衣はふえ金色こんじき袈裟けさの長老を主座にして行はれてる最中であつた。初めて見るビザンチン式の建築やモザイクの壁画はゴシツクやルネツサンス式以外に古雅な特色をつて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
多くの僧俗に出迎はれて出て来た人は田鶴子姫たづこひめではなくて、金縁の目鏡めがねを掛けて法衣はふえの下に紫の緞子どんすはかま穿はいた三十二三のやせの高い僧であつた。御門主ごもんしゆ御門主ごもんしゆと云ふ声が其処此処そこここからおこつた。
御門主 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)