)” の例文
枕山雲如の二人は一日黎明れいめい不忍池しのばずのいけ荷花かかんことを約し、遅く来たものは罰として酒をう責を負うこととした。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
明治の世になりて、宗祐は正四位を贈られ、宗政は従四位を贈らる。地下の枯骨、ここに聖恩にへる也。
秋の筑波山 (新字新仮名) / 大町桂月(著)
其の人を見てあわただしからんは、六三思はんことの恥かしとて、美酒よきさけ鮮魚あざらけきくりやに備ふ。
経済世界に至りては仏国もなく、ゲルマンもなく、またいずくんぞその恩あり、あだあらんや。英人いかに強情にして高慢なるも、酔いをくんずるには仏国葡萄ぶどうの美酒をわざるべからず。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「嚢中すでに自ら有り、みだりうをうれうるなかれかね」
酒友 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
或時は思出をつづるなんぞととなへて文を売り酒ふ道に馴れしより、われ既にわが身の上の事としいへば、古き日記のきれはしと共に、尺八しゃくはち吹きける十六、七のむかしより
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
それ驕奢品なるものは必要品の需用を飽かしめたるののちにおいてすべし。いまだ茅屋ぼうおくのうちにありて大門高墻こうしょうを作るものあらず。いまだ飢餓に瀕して羊肉・葡萄酒をうものあらず。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
買ったことは鈴木松塘が「寄弔」〔弔ヲ寄ス〕の作にも「多慚緑酒沽留我。不惜金釵抜附郎。」〔多ク慚ヅ緑酒ヒテ我ヲ留ムヲ/惜マズ金釵キテ郎ニ附スヲ〕と言ってあるから決して形容の辞ではない。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)