沮喪そさう)” の例文
或日、私は、平素いつもより元氣なく私の勉強に取かゝつた。氣力の沮喪そさうが、鋭く感ぜられた失望によつて、たま/\起つたのだつた。
人の世の言葉や、思想は、の神秘的、具象的事相の万一をだに彷彿はうふつせしめがたき概あるにあらずや。吾れれを思うて、幾たびか躊躇ちうちよし、幾たびか沮喪そさうせり。
予が見神の実験 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
みのるはこの録子と一所にゐる間は始終この女の極く世間摺れした心から妙に自分と云ふものを壓し付けられる樣な自分の感情の沮喪そさうの苦しみがつゞくのであつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
と云ふのは、その悪評を是認する為に、勇気が沮喪そさうすると云ふ意味ではなく、それを否認する為に、その後の創作的動機に、反動的なものが加はると云ふ意味である。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
意気いき凛然りんぜんたる一行中尤いちじるし、木村君ははじめ一行にむかつて大言放語たいげんはうご、利根の険難けんなん人力のおよぶ所にあらざるを談じ、一行の元気を沮喪そさうせしめんとしたる人なれ共、と水上村の産にして体脚たいきやく強健きやふけん
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
気不精きぶしやう沮喪そさうとより。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)