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欷歔
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すすりなき
ふりがな文庫
“
欷歔
(
すすりなき
)” の例文
ベッキイはしゃくり上げて来る
欷歔
(
すすりなき
)
を、ごくりとのみこみながら戸を押しあけました。と、思わず彼女は声を立てました。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
鶴木検事の顔を正視してビクビクと
咽喉
(
のど
)
を引釣らせていたが、そのままドッカリと椅子に腰を
卸
(
おろ
)
すと、応接机の上に突伏してギクギクと
欷歔
(
すすりなき
)
し始めた。
巡査辞職
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
遂にかすかな
欷歔
(
すすりなき
)
の声を立て両手をひしと組み合せ、蓮月の後姿を拝む。欷歔の声漸次大きくなる。蓮月の
掬
(
すく
)
う香湯の匂いあたりに薫じ、夜は明け放れる。
ある日の蓮月尼
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
サク、サク、サクと鑿の音は、
欷歔
(
すすりなき
)
の声を縫うようにして、その間も絶えず慎ましく小さい音を立てていた。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
住吉
新慶町
(
しんけいまち
)
辺に来ると、
兼
(
かね
)
て六番、八番の両隊が舎営していたことがあるので、路傍に待ち受けて
別
(
わかれ
)
を惜むものがある。堺の町に入れば、道の両側に
人山
(
ひとやま
)
を築いて、その中から往々
欷歔
(
すすりなき
)
の声が聞える。
堺事件
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
滔
(
とう
)
々たる血の流れの歌。酔倒の
欷歔
(
すすりなき
)
。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
静かなる
欷歔
(
すすりなき
)
泣きもいでつつ
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
と
欷歔
(
すすりなき
)
の声がした。陶器師が泣いているのだ。……月子は静かに手を延ばしたが
鑿
(
のみ
)
と
槌
(
つち
)
とを取り上げると、サク、サク、サクと
刻
(
ほ
)
りかけの
仮面
(
めん
)
を、
巧妙
(
たくみ
)
な
手練
(
てなみ
)
で刻り出した。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
セエラの
欷歔
(
すすりなき
)
はだんだんおさまって来ました。こんなにへこたれるのは、いつもの自分らしくない、とセエラは意外に思いました。彼女は顔をあげて、エミリイの方を見ました。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
欷歔
(
すすりなき
)
の声は高くなったが不意にプッツリ断ち切れた。と、陶器師は顔を上げ
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そういいながら、女史は腹立たしげに、部屋の隅にあるテエブルの
傍
(
かたわら
)
を掠め過ぎようとしました。と、テエブル掛のかげから、急に
欷歔
(
すすりなき
)
の声が響き出て来るのに
吃驚
(
びっくり
)
して、思わず一
歩
(
あし
)
身
(
み
)
をひきました。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
欷
漢検1級
部首:⽋
11画
歔
漢検1級
部首:⽋
16画
“欷”で始まる語句
欷
欷咽
欷声
欷泣