櫓番やぐらばん)” の例文
けれど、どうしたのか、オウ! といってものを引っかつぐ部下ぶかもなく、かんじんな櫓番やぐらばんのいるところさえ、無人むじんのようにシーンとしている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
関口兵次郎 (櫓番やぐらばん五石余)
日日平安 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
さらに、櫓番やぐらばんへ声をかけて、部下の一人で、もと道中かせぎの町人であった、燕作えんさくという者をよびあげ、かねて用意しておいたらしい一通の密書みっしょをさずけた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
竹童ちくどうをのこして、陣馬じんばはら花畑はなばたけ危変きへんをのがれてきた咲耶子さくやこが、とりでの奥郭おくぐるわへとびおりざま、狂気きょうきのように、櫓番やぐらばん武者むしゃだまりのさむらいへ、声をからして、んでもさけんでも、ひとりとして
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)