橋普請はしぶしん)” の例文
すると、やれ清水の桜が咲いたの、やれ五条の橋普請はしぶしんが出来たのと云っているうちに、幸い、年の加減かげんか、この婆さんが、そろそろ居睡いねむりをはじめました。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
代官所の認可ゆるしを得て、村では、それから間もなく七十余両の鐚銭びたせんで街道安全の橋普請はしぶしんに取りかかった。
下頭橋由来 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人力車じんりきしゃ賃銭ちんせんの高いばかりか何年間とも知れず永代橋えいたいばし橋普請はしぶしんで、近所の往来は竹矢来たけやらいせばめられ、小石や砂利で車の通れぬほど荒らされていた処から、れも彼れも
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
昔の橋普請はしぶしんなどの伝説を真似て、(小説のことですから人を殺すのは自由自在です)必要もないのにそのコンクリートの中へ、一人の女を人柱ひとばしらとして生埋めにすることが書いてありました。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
と、橋普請はしぶしんの大工や、近くで働いている土工たちへ頼んだ。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
石垣にはこべの花や橋普請はしぶしん
自選 荷風百句 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)