横坐よこずわ)” の例文
いぎたなく横坐よこずわりに坐って、何を思い出しているのか時々、にやりと笑ったりして、いやらしいったら無い子であった。
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
と声をかけた美女たおやめ起直おきなおった。今の姿をそのままに、雪駄せったは獅子の蝶に飛ばして、土手の草に横坐よこずわりになる。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と思うと今度は横坐よこずわりに坐ったまま、机の上に頬杖ほおづえをついて、壁の上のウイル——べエトオフェンの肖像を冷淡にぼんやり眺め出した。これは勿論唯事ではない。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
開けたとたんに、ぼくは吃驚びっくりしました。内田さんがたった一人で、それもシュミイズ一枚で、横坐よこずわりになり、かみいていたのです。白粉おしろい香水こうすいにおいにむっとみちた部屋でした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
彼は足を曲げるのが非常に困難らしく、長い間かかって、やっと横坐よこずわりに坐った。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
お絹は二人に会釈えしゃくをしながら、手早くコオトを脱ぎ捨てると、がっかりしたように横坐よこずわりになった。
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)