梅田うめだ)” の例文
夢心地ゆめごこちをドンとひとたれたやうに、そも/\人口じんこう……まん戸數こすう……まんなる、日本につぽん第二だいに大都だいと大木戸おほきどに、色香いろかうめ梅田うめだく。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
押しつまって何となくあわただしい気持のするある日、正月の紋附もんつきなどを取りに行くと言って、柳吉は梅田うめだ新道しんみちの家へ出掛けて行った。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
もっと幼少の頃は、女中の背に乗って、毎日々々梅田うめだ難波なんばの停車場や踏切ふみきりへ、汽車を眺めるべく、弁当を持って出張に及んだものである。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
梅田うめだ停車場ステーションりるやいなや自分は母からいいつけられた通り、すぐくるまやとって岡田おかだの家にけさせた。岡田は母方の遠縁に当る男であった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「はい、実は梅田うめだ停車場の裏の方に、少々知辺しるべがありますから、行って泊めて貰おうかと思っています」
流転 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)