“柯(えだ)” の例文
日浮びて暉(ひかり)を重ね、雲散りて烟(かす)まず。柯(えだ)を連ね穗を并(あ)はす瑞(しるし)、史(ふみひと)は書(しる)すことを絶たず、烽(とぶひ)を列ね、譯(をさ)を重ぬる貢(みつき)、府(みくら)に空しき月無し。名は文命よりも高く、徳は天乙に冠(まさ)れりと謂ひつべし。
彼方此方(かなたこなた)にむらむらと立駢(なら)ぶ老松奇檜(ろうしょうきかい)は、柯(えだ)を交じえ葉を折重ねて鬱蒼(うっそう)として翠(みどり)も深く、観る者の心までが蒼(あお)く染りそうなに引替え、桜杏桃李(おうきょうとうり)の雑木(ざつぼく)は、老木(おいき)稚木(わかぎ)も押なべて一様に枯葉勝な立姿
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)