松影まつかげ)” の例文
つきゆるは、みねむかつた二階にかいえん四枚よまい障子しやうじに、それか、あらぬか、松影まつかげしぬ……戸袋とぶくろかけてとこへ。……
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
中宮の御所をはや過ぎて、垣越かきごし松影まつかげ月を漏らさで墨の如く暗きほとりに至りて、不圖ふと首を擧げて暫し四邊あたりを眺めしが、俄に心付きし如く早足に元來もときし道に戻りける。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)