村長むらをさ)” の例文
そこでこの百姓男は、村長むらをさからいひつかつて、坊さんを探しに今朝はやくから、この街道に出て来てゐたのでした。しかし職人や武士や百姓はたくさん通りますが坊さんはなかなか通りません。
鳥右ヱ門諸国をめぐる (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
ひとたすけさへなく六八世にくだりしものの田畑たばたをも、あたひやすくして六九あながちにおのがものとし、今おのれは村長むらをさとうやまはれても、むかしかりたる人のものをかへさず、礼ある人のむしろを譲れば
九助儀今さら未練みれんにも遺恨ゐこんに存親類中も不通ふつうに相成加之そのうへ同人名主役申付られしより村長むらをさ權威けんゐふる私欲しよく押領あふりやう多く小前の者ども難儀なんぎ仕つるに付村中寄り合ひ又々惣内を歸役きやく致させんと内談ないだんいたせし儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其方村長むらをさ役をもつとめながら傳吉留守中同人叔母早と密通みつつうに及び早を我が家へ引取妻と致し其後村長役を召放めしはなされ傳吉へ後役あとやく申付られしをねたく思ひ加之猿島河原に於て現在げんざい娘千代事うつせみを切害し其罪を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)