デスク)” の例文
今夜、私はデスクの前に腰をかけて抽斗を開けた。書いたものをあらまし引裂いて棄ててしまおうとして、私はむかしの文書をり分けにかかったのだった。
と松本さんもデスクから頭をもたげなければならない。うっかりしていると叱られる。社長は尚おひまを見て昔話をする。
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
もちろん教壇のうしろのいばらの壁には黒板もかかり、先生の前にはテーブルがあり、生徒はみなで十五人ばかり、きちんと白いデスクにこしかけて、講義をきいてりました。
茨海小学校 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
彼は、妻のデスクを指差して杉田に訊ねた。杉田は、独りで何かしきりに書きものをしてゐた。
F村での春 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「ほんとう! 杉田さん?」干高い声で彼は、未だデスクに向つてゐる杉田に呼び掛けた。妻達の方は一寸と言葉を止絶らせた。彼は思ひ切つて何かに飛びついたやうな亢奮で痛く胸を打たれてゐた。
F村での春 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)