“本降”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほんぶり66.7%
ほんぶ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その日は空が薄曇っていて肌寒く、今にも雨がこぼれそうだと思う内に、本降ほんぶりとなりましたので、家では若党の和助を迎いに出しましたら、とくに帰られたというのです。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
その日は夜明から小雨こさめが降っていました。それが十時頃になると本降ほんぶりに変りました。ひる少し過には、多少の暴模様あれもようさえ見えて来ました。すると兄さんは突然立ち上ってしり端折はしおります。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まだ、正午しょうごにもならぬうちから、はたしてあめしました。はじめはこまかで、にはいらぬくらいでしたが、だんだん本降ほんぶりになってきました。
おきくと弟 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その雲が今開いてさしかざした蝙蝠傘こうもりの上にまで蔽いかぶさったかと思うほど低く這下はいさがって来ると、たまらない、ザアッという本降ほんぶりになって、林木りんぼくも声を合せて
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)