本降ほんぶり)” の例文
その日は空が薄曇っていて肌寒く、今にも雨がこぼれそうだと思う内に、本降ほんぶりとなりましたので、家では若党の和助を迎いに出しましたら、とくに帰られたというのです。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
その日は夜明から小雨こさめが降っていました。それが十時頃になると本降ほんぶりに変りました。ひる少し過には、多少の暴模様あれもようさえ見えて来ました。すると兄さんは突然立ち上ってしり端折はしおります。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「おお、つめてえ、本降ほんぶり、本降。」
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おや本降ほんぶりになりそうだ事」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)