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木沓
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きぐつ
ふりがな文庫
“
木沓
(
きぐつ
)” の例文
次いでブリツジを踏む二人の
木沓
(
きぐつ
)
の音がした。「トビアスのをぢさん。ちよいと明りを見せて下さい。プツゼルをばさんが来ました。」
聖ニコラウスの夜
(新字旧仮名)
/
カミーユ・ルモンニエー
(著)
そして、すらりとした
華奢
(
きゃしゃ
)
な体を、揺り
椅子
(
いす
)
に横たえて、足へは
踵
(
かかと
)
の高い
木沓
(
きぐつ
)
をうがち、首から下を、深々とした黒
貂
(
てん
)
の
外套
(
がいとう
)
が覆うていた。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
誰かが笏を落したと云つては笑ひ、
木沓
(
きぐつ
)
が割れたと云つては笑ひ、さうなるととめどもないげらげら笑ひが浪のやうにしばらくは一隊を支配した。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
三人が扉まで行って窺うと、胸から血を流し
木沓
(
きぐつ
)
をひきずりながら、ラスプーチンが、階段を降りてくるところであった。彼はまだ死ななかったのである。
世界の裏
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
片手には俗に
木沓
(
きぐつ
)
のヴァイオリンといわれる、三四本の使い古しのヴァイオリンの絃をはった古びた
木沓
(
きぐつ
)
を持ち、他の片手には、その樂器に似合いの弓をさげていた。
ユダヤ人のブナの木:山深きヴェストファーレンの風俗画
(旧字新仮名)
/
ドロステ=ヒュルスホフアネッテ・フォン
(著)
▼ もっと見る
大理石のような硬い氷の上に立って、ひょいと見ると、皺枯れ声の主というのは、中国服を着て、
木沓
(
きぐつ
)
をはいた老人だが、中国人ではないらしい。彼は、僕の顔をじろじろ見ていたが
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
枯草を詰めた
木沓
(
きぐつ
)
のダンスを懐かしく思ふのだ。〔〕
〔蒼冷と純黒〕
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
姑
(
しうとめ
)
は折々気を附ける。「お前らくにしてお出かい。足が冷えはしないかい。」穿いてゐるのは、藁を内側に附けた
木沓
(
きぐつ
)
である。
聖ニコラウスの夜
(新字旧仮名)
/
カミーユ・ルモンニエー
(著)
そう言って、高い
木沓
(
きぐつ
)
を脱ぐと、なかから、それは異様なものが現われた。双方の
足趾
(
あし
)
は、いずれも外側に
偏
(
かたよ
)
っていて、大きな
拇趾
(
おやゆび
)
だけがさながら、大
箆
(
へら
)
のように見えるのだった。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
老博士は、
木沓
(
きぐつ
)
の先でコツコツ氷を叩いてみて、僕をかえりみて云った。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
人々の
木沓
(
きぐつ
)
をひきずる音や、箒で掃除する音を耳にした。
ユダヤ人のブナの木:山深きヴェストファーレンの風俗画
(旧字新仮名)
/
ドロステ=ヒュルスホフアネッテ・フォン
(著)
おい、フリッツ、お前の
木沓
(
きぐつ
)
をはきな。
ユダヤ人のブナの木:山深きヴェストファーレンの風俗画
(旧字新仮名)
/
ドロステ=ヒュルスホフアネッテ・フォン
(著)
木
常用漢字
小1
部首:⽊
4画
沓
漢検準1級
部首:⽔
8画
“木”で始まる語句
木
木立
木綿
木偶
木枯
木乃伊
木蔭
木履
木精
木樵