“有触”の読み方と例文
読み方割合
ありふ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昔から大道店だいどうみせに、酔払いは附いたもので、お職人親方手合てあいの、そうしたのは有触ありふれたが、長外套なががいとうに茶の中折なかおれひげの生えた立派なのが居る。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
中に一枚歌磨の自画像だと称して特に金紙きんしの装幀を施した絵をわざと高いところから降ろして観せてれたのが有触ありふれた遊冶郎いうやらうの絵であつたのは驚いた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
膳の上にあるのは有触ありふれたあじの塩焼だが、ただ穂蓼ほたでを置き合せたのに、ちょっと細君の心の味が見えていた。主人ははしくだして後、再び猪口を取り上げた。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)