“暮山”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼざん66.7%
ぼさん33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
暮山ぼざんの雲をながむれば、君が花釵かんざしかと心も憂く、閑窓かんそうの月にうそぶけば、玉顔ぎょくがんわれに笑み給うかと迷うも浅まし。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
暮山ぼざん屏風びょうぶに包まれた大和の国原くにはらには、夕けぶり立つ紫の村、黄ばんだ田、明るい川の流れ、神武陵、法隆寺、千年二千年の昔ありしもの、今生けるものゝすべてが、夜の安息に入る前に
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
むづかしげに暮山ぼさんめぐりし雲は、果して雨と成りて、冷々ひやひや密下そぼふるほどに、宵の燈火ともしびも影けて、壁にうつろふ物の形皆寂く、なまじひに起きて在るべき夜頃よごろならず。さては貫一もまくらに就きたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)