暮山ぼざん)” の例文
暮山ぼざんの雲をながむれば、君が花釵かんざしかと心も憂く、閑窓かんそうの月にうそぶけば、玉顔ぎょくがんわれに笑み給うかと迷うも浅まし。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
暮山ぼざん屏風びょうぶに包まれた大和の国原くにはらには、夕けぶり立つ紫の村、黄ばんだ田、明るい川の流れ、神武陵、法隆寺、千年二千年の昔ありしもの、今生けるものゝすべてが、夜の安息に入る前に
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)