晩餐会ばんさんかい)” の例文
大臣も御持病はあっても勤めていられたようで、お兄様の日記には陸相の晩餐会ばんさんかいに行く、翌日礼に行くなどと見えています。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
つい今し方まで陸軍関係の晩餐会ばんさんかいに呼ばれていたんだが、恐ろしく歓待してくれてね、なんだか英雄にでもなったような気持がしているんだよ。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
広海さん、失礼ですが我邦わがくにの親たちも英国風にならって娘のために毎週一度位晩餐会ばんさんかいを開いたらよかろうと存じます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
晩餐会ばんさんかいは中止にして下さい。どうも、考えてみると、この物資不足の時に、僕なんかにごちそうするなんて、むだですよ。つまらないじゃありませんか。」
やんぬる哉 (新字新仮名) / 太宰治(著)
まもなくあせるドレゴを連れて、水戸はホーテンスの跡を追った。そしてかれは、ホーテンスとドレゴとを、自分の部屋に招待して、晩餐会ばんさんかいを催すことにした。
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
翌晩、船で、簡単な晩餐会ばんさんかいがあって、その席上、選手全員の自己紹介が行われました。なにしろ元気一杯な連中ばかりですから、溌剌とした挨拶あいさつが、食堂中にひびわたります。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
あたしのうちで——彼のいう長谷川うじの宅で、彼のために小晩餐会ばんさんかいが催されたことがある。
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
開場式のお歴々の群集も畢竟ひっきょう一種の囚徒で、工場主の晩餐会ばんさんかいの卓上につらなる紳士淑女も、刑務所の食卓に並ぶルンペンらも同じくギャングであり囚人の群れであるように思われてくる。
映画雑感(Ⅰ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
レッセーエ夫人のことはまだお話してなかったと思います。この人とはごく最近近附きになったばかりなのですが、私はこの人に多くのものを負っています。ウルフ家の晩餐会ばんさんかいの席上のことでした。
聖アンデルセン (新字新仮名) / 小山清(著)
英国南部のバスというまちで、ある夜盛大せいだい晩餐会ばんさんかいが開かれました。
ジェンナー伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
相川操一氏は、丁度その時分、事業上のある晩餐会ばんさんかいに出席していたのだが、電話の知らせを受けて、急いで帰宅した。
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ロンドンの地下ホテルの大広間で、国防晩餐会ばんさんかいもよおされている。