是限これぎ)” の例文
『では、君、斯う言つたら——これはまあ是限これぎりの御話なんですがね、必定きつと瀬川君は斯の学校を取らうといふ野心があるに相違ちがひないんです。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
手前てまへぞんじをりまするは是限これぎり。内祝言ないしうげん乳母うば承知しょうちはず何事なにごとにまれ、われら不埓ふらち御檢斷ごけんだんあそばれうならば、餘命よめい幾何いくばくもなき老骨らうこつ如何いか御嚴刑ごげんけいにもしょせられませう。
『むゝ、左様さうですか。それから、これはまあ是限これぎりの御話ですが——』と蓮太郎は微笑ほゝゑんで、『ひよつとすると、僕も君の方まで出掛けて行くかも知れません。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)