明檜あすひ)” の例文
檜木ひのきさはら明檜あすひまき𣜌ねず——それを木曾きそはうでは五木ごぼくといひまして、さういふえたもりはやしがあのふか谷間たにあひしげつてるのです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
檜木ひのきさわら明檜あすひ高野槇こうやまきねずこ——これを木曾では五木ごぼくという。そういう樹木の生長する森林の方はことに山も深い。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
今さらのように豊富な檜木ひのきさわら明檜あすひ高野槇こうやまき、それからねずこなどの繁茂する森林地帯の深さに驚き、それらのみずみずしい五木がみな享保年代からの御停止木であるにも驚き
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
言って見れば、檜木ひのきさわら明檜あすひ高野槇こうやまきねずこの五種類が尾張藩の厳重な保護のもとにあったのだ。半蔵らは、名古屋から出張している諸役人の心が絶えずこの森林地帯に働いていることを知っていた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)