早附木マッチ)” の例文
ただその、早附木マッチ一つ買い取るのに、半時ばかりった仔細しさいが知れて、うたがいはさらりとなくなったばかりであるから、気の毒らしい、と自分で思うほど一向な暢気のんき
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうしているうちに、長崎屋が、地袋の棚から早附木マッチをさぐり出してきて蝋燭の火をともす。
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
途端に紫の光一点、ぱっと響いて、早附木マッチった。ほらの中は広く、滝太郎はかえってくつろいで立っている。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
燃え尽して赤い棒になった早附木マッチを棄てて、お兼を草花の中に残して、滝太郎は暗中に放れて去る。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「じゃあね、言いますけれど、銑さん、私がね、今、早附木マッチを買いに入ると、誰も居ないのよ。」
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その列の最も端の方に据えたのが、蝦茶えびちゃのリボンかざり、かつて勇美子がかしらに頂いたのが、色もあせないでの影に黒ずんで見えた。かたわらには早附木マッチもえさしがちらばっていたのである。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「まあ、呑気のんきらしい、早附木マッチを取って上げたんじゃありませんか。」
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)