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放蕩三昧
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はうたうざんまい
蘿月は一家の破産
滅亡の
昔を
云出されると
勘当までされた
放蕩三昧の身は、
何につけ、
禿頭をかきたいやうな
当惑を感ずる。
常に友達の為めに借金を
背負はされて居た程です、
何うも日本では今以て、
鍛冶工など云へば
直に乱暴な、
放蕩三昧な、品格の劣等の者の如く即断致しますが
これまでは
何の気もなく母親からも
亦伯父自身の口からも
度々聞かされてゐた
伯父が
放蕩三昧の経歴が恋の苦痛を知り
初めた
長吉の心には
凡て新しい
何かの意味を
以て解釈されはじめた。