ぬきん)” の例文
何方どっち付かずに真中へ立って、煮え切らずに前進する事は容易であった。けれども、今の彼は、不断の彼とは趣を異にしていた。再び半身を埒外らつがいぬきんでて、余人と握手するのは既に遅かった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何方付どつちつかずに真中まんなかつて、煮え切らずに前進する事は容易であつた。けれども、いまかれは、不断ふだんの彼とはおもむきを異にしてゐた。再び半身を埒外らつぐわいぬきんでて、余人と握手するのは既におそかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)