指折ゆびをり)” の例文
何事にきましても、正月からもう指折ゆびをり数へて毎日引き寄せたく思つた日が、いよいよ目の前に現はれて来るのですもの、来たらじつととらへて放つまいと云ふやうに気があがるのです。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
り本町通りの小西屋というては名高なだかき藥種問屋江戸指折ゆびをり豪商かねもちにてたれとて知ぬ者もなき大身代おほしんだいの嫁に成とは娘が出世しゆつせ此上なき喜びなれども此方こなたはまた見る影もなき浪人者らうにんもの釣合つりあはざるは不縁のもと決して是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
仕てかゝるべしと身に引受し長助がいと懇切ねんごろ言聞いひきかせければお光は飛立ばかりに喜び早々さう/\長助同道どうだうにて忠兵衞方へ赴きける僥倖さいはひなるかな例令たとへお光が女の身にて何樣に思ふとも外の家主ならんには勿々なか/\引請てくれ事柄ことがらには有らね共此長助と云家主は當時此ひろき大江戸にても三人と言るゝ指折ゆびをり公事好くじずきと名を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)