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拇印
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ぼいん
ふりがな文庫
“
拇印
(
ぼいん
)” の例文
血だらけになったのをどこかへ捨てたんだろう——その剃刀さえ見付かれば、
口書
(
くちが
)
き
拇印
(
ぼいん
)
がなくたって、
処刑台
(
おしおきだい
)
に上げられる女だ
銭形平次捕物控:053 小唄お政
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「この金を受取るにも、生憎認印を持っていないと言ったら、
拇印
(
ぼいん
)
を捺して行きなさいだってさ。僕は拇印なんか捺したことは初めてだ」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「死んだおやじは明きめくらだったから、証文といっても
拇印
(
ぼいん
)
だけで、それが本当におやじの
捺
(
お
)
したものかどうかさえ調べることはできない」
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
不破に関する書類だけれども、一応目を通して、もし賛成ならば署名と
拇印
(
ぼいん
)
を押して呉れと言う。
ボロ家の春秋
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
我々の考へてゐるやうなわけにはゆかないものらしく、何もわけの分らない十三歳の男の子に、
拇印
(
ぼいん
)
を押させ——そんな子の拇印なぞが、それ程役所には大事なものか知ら。
椎の若葉
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
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只親指に墨を塗り姓名の下に押す、即ち
拇印
(
ぼいん
)
爪印
(
つめいん
)
とも申ます、
平常
(
ふだん
)
実印を用いても、
極
(
ごく
)
八釜
(
やかま
)
しい事、即ち調べを受けて証拠でも取られるというような時に至って、必ず拇印をいたしますが
探偵小説の「謎」
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
観念した友田は、ふるえる手で、署名をし、親指で、
拇印
(
ぼいん
)
を押した。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
もうその
時
(
とき
)
捺
(
お
)
した
拇印
(
ぼいん
)
の血は乾いて
漆
(
うるし
)
のような色をしている。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それから三日、必死の探索も何の役にも立たず、小染は口書き
拇印
(
ぼいん
)
を取られて、いよいよ送られるばかりになりました。
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
またそれぞれの
拇印
(
ぼいん
)
が
捺
(
お
)
してあった
赤ひげ診療譚:07 おくめ殺し
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
拇印
(
ぼいん
)
を」と、彼の
証
(
しるし
)
を取って
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大抵のお
白洲
(
しらす
)
では、筋書通りそれを繰り返して
口書
(
くちがき
)
拇印
(
ぼいん
)
を取り、最後の言ひ渡しをするだけであつたのです。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「林彦三郎は
口書
(
くちが
)
き
拇印
(
ぼいん
)
も済んで、伝馬町へ送られるという話だ、困ったことだな」
銭形平次捕物控:106 懐ろ鏡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「林彦三郎は
口書
(
くがき
)
拇印
(
ぼいん
)
も濟んで、傳馬町へ送られるといふ話だ、困つたことだな」
銭形平次捕物控:106 懐ろ鏡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“拇印”の意味
《名詞》
拇印(ぼいん)
拇指(親指)に墨や朱肉をつけて指紋を押し、押印の代わりとすること。また、そのような印。爪印。
(出典:Wiktionary)
拇
漢検1級
部首:⼿
8画
印
常用漢字
小4
部首:⼙
6画
“拇”で始まる語句
拇指
拇
拇指痕
拇趾
拇指紋
拇指大