折所せっしょ)” の例文
坦々たんたんたる街道とちがい、折所せっしょの多い山道である。進撃先鋒しんげきせんぽうは、続々、動き出したが、意の如く進めない。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ことに木曾路はゆくところみな難所なんしょ折所せっしょ、いざという場合にはいちだんと危険が多いように考えられる
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
道々は難所折所せっしょ。護送役の端公たんこう(獄役人)二人は、毎日林冲りんちゅうの縄ジリをとって追いたてながら
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「播州の戦地は、山岳が多く、いわゆる折所せっしょ難所なんしょの戦いです。——まずまず御加勢のみをさし向けられ、しばらくは、敵の変を見ておいで遊ばすべきではないでしょうか」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何かにつけ、人間の道中も、難所折所せっしょ、ずいぶん気をつけて、歩きなさい
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
辛苦しんくになれている竹童には、野に樹下じゅかにねむることも、なんのいとうところではなく、また鞍馬くらまたにらした足には、近江街道おうみかいどう折所せっしょ東海道とうかいどう山路やまじなども、もののかずにはならないので
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)