所以ゆゑ)” の例文
醸家の水を貴び水を愛し水を重んじ水ををしむ、まことに所以ゆゑある也。剣工の剣を鍛ひて之をさいするや、水悪ければ即ち敗る。
(新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
避りし所以ゆゑは、その八十神おのもおのも稻羽いなば八上やかみ比賣よばはむとする心ありて、共に稻羽に行きし時に、大穴牟遲おほあなむぢの神にふくろを負せ、從者ともびととしてて往きき
臨死みまからむとする時、長歎息して曰く、伝へ聞く仮合けがふの身滅び易く、泡沫はうまつの命とどめ難し。所以ゆゑに千聖すでに去り、百賢留らず、況して凡愚のいやしき者、何ぞもく逃避せむ。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
いまし行きて天若日子に問はむ状は、汝を葦原の中つ國に遣はせる所以ゆゑは、その國の荒ぶる神たちを言趣ことむやはせとなり。何ぞ八年になるまで、復奏まをさざると問へ」
そのあやまてる所以ゆゑは、この二柱の神の容姿かたちいと能くれり。かれここを以ちて過てるなり。