情交わけ)” の例文
自分達母子おやこかねて疑っている如く、お葉という女は市郎と情交わけがあるに相違ない。もなければ自分に対して、あんな乱暴を働く筈がない。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その法学士が内へ帰ると、(お帰んなさいまし、さて奥様はひょんな事。)と、書生と情交わけがあるように言いつける。とよくも聞かないで、——(出てけ。)——と怒鳴り附けた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自分の奉公している上州屋の息子は勿論、手あたり次第に大勢の男にかかり合いを付けていて、両国の薬種屋の息子とも情交わけがあったんです。
半七捕物帳:22 筆屋の娘 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そこらをうろ付いているうちに、田町の重兵衛に眼をつけられて、お時と情交わけのあることも知れてしまったんです。
半七捕物帳:09 春の雪解 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それはまだ確かに判らねえが、おれの鑑定じゃあ多分そのお丸という女は、上州屋の伜と情交わけがあって、つまり嫉妬から筆屋の娘を殺そうとしたんだろうと思う。
半七捕物帳:22 筆屋の娘 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お津賀はどうも富蔵と情交わけがあるのではないかと思われるような所もございますので、わたくしもなんだか忌々いまいましくなりまして、今思えば実に恐ろしいことでございます。
半七捕物帳:17 三河万歳 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかし果たして林之助とお里とのあいだに情交わけがあるかないか、そんなことは彼女にも鑑定は付かないらしかった。お此はまったくなんにも知らないと正直そうに答えた。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
店へ出入りの屋根屋の職人と情交わけがあるというので、それをかどに追い返してしまったんだ
半七捕物帳:16 津の国屋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お菊と情交わけのあることを発見された清次郎は、その場からすぐに引っ立てられて行った。
半七捕物帳:02 石灯籠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
自分の邪推かは知らないが、ひょっとすると其の娘は上州屋の息子となにか情交わけがあって、今度の縁談について一種の嫉妬ねたみの眼を以てお年を窺っているのではあるまいかと云った。
半七捕物帳:22 筆屋の娘 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
何方どちらの云うことが真実ほんとうか知らぬが、先刻さっき市郎の話では、忠一が女と巫山戯ふざけたと云う。今又ここの話では、市郎が女と情交わけがあるらしいと云う。何方どっちにしても、対手あいては客商売の女である。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お菊は若い番頭の清次郎とうから情交わけがあって、ときどき外で忍び逢っている。おとといの観音詣りも無論そのためで、待ち合わせていた清次郎と一緒にお菊は奥山の或る茶屋へはいった。
半七捕物帳:02 石灯籠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
とうから情交わけがあったんです
半七捕物帳:09 春の雪解 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)