悪路王あくろおう)” の例文
決して坂上田村麻呂さかのうえのたむらまろ悪路王あくろおうを征討した、いわゆる大同二年ごろからすでに東北の雪国に、あったわけでもないのである。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
田村麻呂たむらまろはこのいきおいにって、達谷たっこくいわやというおおきな岩屋いわやの中にかくれている、高丸たかまる仲間なかま悪路王あくろおうというあらえびすをもついでにころしてしまいました。
田村将軍 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
むかし 達谷たっこくの 悪路王あくろおう
種山ヶ原 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
近世の蝦夷地えぞちに、いわゆるフレシャム(赤人)のいましめを伝えた時、多くの東北人にはそれが意外とも響かなかったのは、古来の悪路王あくろおう大竹丸おおたけまるの同類に、赤頭太郎などと称して赤い大人おおひと
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
岩手県のごときはアクソと転訛する者がある(中村新太郎氏)。あるいは悪路王あくろおうの伝説に附会する者もあるという(伊能嘉矩氏)。アクトに当てた漢字はまたすこぶるこの地名を説明するに足る。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)