念珠ねんじゆ)” の例文
こぶしをあげて一にん天窓あたまをうたむとせしに、一幅ひとはばの青き光さつと窓を射て、水晶の念珠ねんじゆひとみをかすめ、ハツシと胸をうちたるに、ひるみてうずくまる時、若僧じやくそう円柱えんちゆうをいざりでつつ、ついゐて
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
差掛さしかけさせくつしと/\と踏鳴ふみならし靜々とぞ歩行あゆみける附從つきしたがふ小姓こしやうの面々には麻上下あさがみしも股立もゝだちを取て左右を守護しゆごしける引續ひきつゞいて常樂院天忠和尚てんちうをしやうむらさきの衣に白地の袈裟けさを掛け殊勝しゆしようげに手に念珠ねんじゆ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かういふ想出は、例へば念珠ねんじゆたまの一つ一つのやうにはならぬものであらうか。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
くい念珠ねんじゆと幻と、いづれをわかず
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
今もかくる念珠ねんじゆ薏苡よくい
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)