快諾かいだく)” の例文
さだめし、伊那丸いなまるさまをはじめ同志の人々がよろこぶことと信じて、そくざに、八風斎はっぷうさいの願いをゆるし、あまたけの本陣へあんないすることを快諾かいだくした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
主人はすぐに快諾かいだくしました。そうしてその庁堂の素壁そへきへ、一幀いっとう画幅がふくけさせました。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
自分は博士の快諾かいだくを得てすぐ引っ返したけれど、人力もなく電車もないのに気ばかりせわしくて五体は重い。眉毛まゆげもぬれるほどに汗をかいて急いでも、容易に道ははかどらない。
去年 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
こう快諾かいだくしてくれた人は四、五人もあったが、翌日よくじつになると悄然しょうぜんとしてこういう。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
だが、そればかりは、竹童にも、ハイとすなおに快諾かいだくされなかった。かれはだまって、いつまでも下をむいていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「このさい、なにをぐずぐずいったところでしかたがないから、さきの註文ちゅうもんどおり快諾かいだくしてやって、そのかわりに、みじんにしてやろうじゃないか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
快諾かいだくし、また張横ちょうおうは、いつのまにか一通の手紙を用意し、宋江に渡して告げた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、言外に感動をあらわしながら、快諾かいだくすべき旨を伝え、かつまた
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)